✔ エンジニアの仕事で、英語って実際どのくらい使うの?
✔ TOEICのスコアがあれば実務でも通用する?
✔ 英語ができないとIT企業では詰む…?
✔ 海外拠点とのやり取りって、どうやって回してるんだろう
TOEICのスコアが伸びてくると、「これで実務でも大丈夫かな」と思いたくなりますよね。
僕は大学3年の秋学期に大手日系SIerで長期インターンをしていて、そのあいだ毎日30分、オフショア拠点との英語会議に同席していました。当時のTOEICは600点台の中盤で、しかもリスニングのほうが得意でした。
それでも、ほとんど聞き取れませんでした。
この記事では、何が聞き取れなかったのか、どう対処したのか、そしてそれでも仕事が回っていたのはなぜかを正直に書きます!
- オフショア開発の英語会議が実際どう進むか
- TOEICのリスニング力と実務の聞き取りが別物である理由
- 聞き取れないときに現場で使われている対処法
- 英語が完璧でなくても仕事が回っている仕組み
毎日30分、英語の会議に同席していました

まず、どんな会議だったかを書きます。
- 頻度:毎日
- 1回:30分ほど
- ツール:Microsoft Teams
- 参加者:日本側チームとオフショア拠点のメンバー
- 議題:主に進捗確認
日本側の主催者が進行して、各タスクの状況を確認していく。内容としてはごく普通の定例ミーティングです。特別なプレゼンや交渉があるわけではありません。
資料は日本語と英語の両方で書かれていました。あとから振り返ると、この点がかなり効いていたのですが、それは後半で書きます。
そして僕の立ち位置ですが、ここは正直に書いておきます。僕は意思決定する側ではなく、同席者でした。
30分×毎日の会議で、自分から話したのは最初の自己紹介だけです。あとはずっと聞いていました。「毎日30分、ほぼ聞くだけで座っていた」というのが実態です。
インターン全体で何をやっていたかは、こちらにまとめています。

TOEICのリスニングが得意でも、聞き取れませんでした
当時の僕のTOEICは、635点(L355 / R280)でした。
見てのとおり、リスニングのほうが75点高いです。自分の中でも「聞くほうが得意」という認識でした。
それでも、会議の英語は聞き取れませんでした。理由は、相手が訛りのある非ネイティブ英語だったからです。
知っている単語が、別の音に聞こえる
これが一番伝えたい部分です。
聞き取れない原因は、よく言われる「単語の切れ目が分からない」ではありませんでした。もっと手前の問題です。
知っている単語なのに、別の音に聞こえる。意味を知らないのではなく、自分の中にある音と結びつかない。そのせいで、認識できるまでに毎回ラグがありました。
これが厄介なのは、「語彙を増やせば聞き取れる」という一般的な処方箋が効かないことです。単語は知っているんです。ただ、耳がその音を知らない。
TOEICのリスニングは、比較的クセの少ない発音で録音されています。だからTOEICのスコアは「訛りのある英語を聞き取れること」を保証しません。ここが完全に別物でした。
さらに、分からなかったのは開発・テスト工程まわりの言い回しです。「テストのコミット」「テストアクション」のような表現が出てくると、その場で意味が取れず、記憶にも残りませんでした。
スコアの推移やリスニングの伸ばし方は、こちらの記事で全公開しています。

対処法は「自動文字起こし」でした

じゃあ毎日ただ座っていただけかというと、そうでもありません。対処法があります。
Teamsの自動文字起こしです。
会議中に発言がテキストで流れていくので、耳で拾えなかった部分を目で補えるようになります。これは同じチームの人にやり方を教えてもらって、僕も使うようになりました。
使ってみると、「何を言っているか」が明確に分かりやすくなりました。 音では認識できなかった単語も、文字なら知っている単語として読めるからです。
録画機能も併用できます。その場で追いきれなかった部分は、あとから見返せば拾えます。リアルタイムで100%理解する必要がないというのが、オンライン会議の大きな利点でした。
さらに、通訳が同席していました。相手が理解できていないと感じたときは、通訳を介して伝えられる状態になっていました。
3ヶ月経っても、理解は「多分こう言ってる」止まり
毎日30分を約3ヶ月。合計するとそれなりの時間ですが、正直に書きます。
耳が慣れた感覚はありました。 ただ、難易度そのものはそこまで変わりませんでした。
最後まで、僕の理解は「多分こう言ってるんだろうな」という推測レベルで止まっていました。完全に理解できるようになった、とは言えません。
ちなみに、あとで認識がズレていて困ったという経験はほぼありませんでした。ただしこれは僕の英語力の話ではなくて、その業務について僕がやることがそこまで無かったからです。同席者だったので、ズレても実害が出る場面がなかっただけです。
ここを「聞き取れていた」と書くのは違うと思うので、そのまま書いておきます。
それでも仕事は回っていました

ここが、この記事で一番書きたかったことです。
インターンに入る前、僕は「顔が見えない相手と、しかも英語で、仕事なんて進むのか」と思っていました。
実際に見てみると、顔が見えないことはそんなに関係ありませんでした。 そして、成立を支えていたのは話す英語そのものではありませんでした。
支えていたのは、伝達手段が何重にもなっていることです。
- 文字:チャットと自動文字起こし
- 資料:日本語と英語の両方で書かれたドキュメント
- 人:通訳という逃げ道
「英語が話せないと回らない」ではなく、回す仕組みがあるから英語が完璧でなくても回る。これが3ヶ月同席して得た結論です。
日本側のチームにも英語が得意ではない人はいました。それでも、ドキュメントを使って説明すれば普通に伝わっていました。英語力の不足を、仕組みが吸収しているわけです。
だから、「英語ができないからIT企業は無理だ」と考える必要はないと思います。実務で求められるのは、完璧な英語よりも、伝わるまで手段を変えられることでした。
エンジニアにTOEICがどこまで求められるかは、こちらでデータをもとに整理しています。

就活の選考で英語がどこまで問われたかは、こちらに書きました。

この経験で、英語学習は変えませんでした
締めとして、正直に書きます。
この経験のあと、英語の勉強法は特に変えていません。
「衝撃を受けて英語漬けになりました」と書ければ話としてはきれいですが、実際はそうなりませんでした。
ただ、方向性は見えました。
- まずは自分の英語力そのものを上げるのが先だと考えた
- 聞くことはある程度できる。話すことはこれまでやってこなかった
- スピーキングは、今後やれたらいい段階
訛りへの対応みたいな話は、その先です。土台がない状態で応用だけ足しても意味がないと思ったので、いまはTOEICで基礎を上げるほうを続けています。
まとめ
TOEICのリスニングが得意でも、訛りのある実務英語は別物でした。それでも仕事は回っていて、支えていたのは伝達手段の冗長性です。
- 毎日30分、Teamsでオフショア拠点との会議に同席していました
- 当時のTOEICは635点(L355 / R280)でリスニングのほうが得意。それでも聞き取れませんでした
- 原因は訛り。知っている単語が別の音に聞こえ、認識にラグが出る
- 対処は自動文字起こし。教えてもらって自分でも使い、内容の把握が楽になりました
- それでも理解は「多分こう言ってる」止まり。発言したのは自己紹介だけでした
- それでも回っていたのは、文字・日英併記の資料・通訳という手段の重なりがあったから
英語ができないからIT業界は無理、ということはありません。ただし、TOEICのスコアがそのまま実務の聞き取り力になるわけでもない。この2つは、分けて考えたほうがいいと思います!


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