エンジニアにTOEICは必要?技術部門の期待は560点

英語

✔ エンジニアになるのに、TOEICって本当に必要?
✔ 技術力があれば英語はいらないんじゃないの?
✔ 何点を目標にすればいいか分からない
✔ 資格の勉強時間を、英語に割く価値はある?

「エンジニアは技術力が全て。英語は関係ない」——そう言われることがあります。

たしかにコードを書くだけなら、英語がなくても仕事は成立します。しかし実際の開発現場では、調べものの段階で英語に当たる場面が想像以上に多いのが現実です。

この記事では、TOEICを運営するIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)の調査データと、実際の開発現場での英語の使われ方の両面から、エンジニアにとってのTOEICの必要性を整理します。

この記事でわかること
  • 企業の技術部門が新入社員に期待するTOEICスコア
  • エンジニアが実務で英語に当たる3つの場面
  • TOEICのスコアが評価される場面と、されない場面
  • エンジニアが目指すべき目標スコアの決め方

データで見る:技術部門が期待するのは平均560点

まず客観的な数字から確認します。

IIBCの「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2022」によると、企業が新入社員に期待するTOEIC L&Rスコアの平均は550点です。部門別に見ると、次のようになっています。

部門期待されるスコア(平均)
技術部門560点
営業部門580点
国際部門705点
出典:IIBC「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2022」

注目したいのは、技術部門の期待値が560点という点です。国際部門の705点と比べると、150点近く低い水準になっています。

また同じ調査では、採用時にTOEICスコアを要件・参考にしている、もしくは今後その可能性がある企業は73.6%とされています。

ポイント

「エンジニアに高い英語力は求められていない」が、「まったく見られていない」わけでもない、というのがデータから読み取れる実態です。極端に高い点数を目指す必要はありません。

エンジニアが実務で英語に当たる3つの場面

では、なぜ技術部門でも英語が求められるのでしょうか。実務で英語に当たるのは、主に次の3つの場面です。

1. 公式ドキュメントの原典が英語

プログラミング言語、フレームワーク、クラウドサービス。これらの公式ドキュメントは、ほぼすべて英語が原典です。

日本語訳が用意されているものもありますが、翻訳は更新が遅れがちという問題があります。新しいバージョンの情報や、細かい仕様は英語版にしか載っていないことも珍しくありません。

筆者も情報工学の授業や個人開発で、日本語の情報が見つからず英語ドキュメントに当たる場面を何度も経験しました。「日本語で調べて出てこなかったら詰み」という状態は、単純に不便です。

2. エラー解決の情報源が英語

エラーメッセージをそのまま検索すると、上位に出てくるのは英語のQ&Aサイトやリポジトリのissue(不具合報告や議論のスレッド)であることが多いです。

とくに新しい技術やマイナーなライブラリほど、日本語の情報は存在しません。開発が止まる時間を短くできるかどうかは、英語を読む抵抗感の有無に直結します。

3. 待遇や案件の選択肢が広がる

外資系企業やグローバル案件では、英語力が要件に含まれることがあります。英語ができないと、そもそも選択肢に入らない求人が存在するということです。

ただし新卒の選考段階に限れば、英語のハードルは思ったほど高くありません。実際に外資系を受けた体験は、こちらにまとめています。

外資系IT就活、英語面接はゼロでした|27卒の実体験
外資系ITやコンサルの就活では英語面接が必須だと思っていませんか。27卒として外資系IT・外資系コンサルを受けた現役大学生が、実際に英語がどこまで求められたかを正直に書きました。

TOEICが評価される場面・されない場面

ここは正直に整理しておきます。TOEICのスコアは万能ではありません。

評価されやすい場面

  • 新卒採用の書類選考:客観的な指標が少ない学生にとって、数字で示せる数少ない材料
  • 社内の異動・昇進の要件:企業によっては基準スコアが設定されている
  • 学習を継続できる証明:スコアの推移そのものが、努力の記録になる

評価されにくい場面

  • 中途採用の技術選考:実務経験やポートフォリオが優先される
  • 英語を「話す」必要がある場面:TOEIC L&Rは読む・聞くのテストで、話す力は測っていない
⚠ 注意

TOEIC L&Rのスコアが高くても、英語を話せるとは限りません。筆者自身、リスニングは400点ありますが、会話の経験はほとんどありません。混同しないよう注意が必要です。

エンジニアが目指すべきスコアの決め方

以上を踏まえた、目標スコアの考え方です。

  • まず600点:技術部門の期待値560点を超える水準。書類で足を引っ張らないラインです
  • 次に700点:多くの企業で「英語ができる人」として扱われ始める水準
  • 800点以上:外資系やグローバル案件を本気で狙う場合の目安

技術職を目指すなら、まずは600点を確保して、あとは技術の勉強に時間を回すのが合理的です。英語に時間を使いすぎて、肝心の技術力が伸びないのでは本末転倒になります。

筆者は390点から700点まで3年かかりましたが、本気で取り組んだのは受験前の2ヶ月×2回だけでした。短期集中でまとめて上げて、あとは技術に戻るという進め方は現実的だと思います。

TOEIC390→700点|途中で120点下がりました
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まとめ

エンジニアにTOEICは必要か、データと実務の両面から整理しました。

  • 企業の技術部門が新入社員に期待するのは平均560点(IIBC 2022年調査)
  • 採用時にスコアを見る可能性がある企業は73.6%
  • 実務では公式ドキュメント・エラー解決・案件の選択肢の3場面で英語に当たる
  • まず600点を確保し、残りの時間は技術に回すのが現実的

「エンジニアに英語はいらない」は言いすぎですが、「高得点が必須」も言いすぎです。足を引っ張らない水準を最短で確保する、という考え方をおすすめします。

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